本日、12月4日はダウ理論の創始者チャールズ・ダウさんの命日です。
テクニカル分析の礎を作られた創始者に敬意を表し
今回の記事は、ダウ理論の“歴史”を
できるだけ分かりやすく、トレーダー向けにまとめて解説します。
実はダウ理論は 120年以上の歴史を持つ、すべてのテクニカル分析の原点です。
🏛️ ダウ理論の歴史
創始者:チャールズ・ヘンリー・ダウ(Charles Henry Dow)
1851年11月6日~1902年12月4日(享年51歳)
アメリカのジャーナリストであり、証券アナリスト
後のウォール・ストリート・ジャーナルの創設者
- 1880年代後半に株価指数を作り始め、「平均(価格)は全ての事象を織り込む」という思想を創造する
- 1890年代〜1900年代にかけて「市場はトレンドで動く」という理論を新聞で連載していく
- ダウの死後、サミュエル・アームストロング・ネルソン(S・A・Nelson)がダウの論説を整理して『The ABC of Stock Speculation』として出版。ここで初めて「ダウ理論」という言葉が用いられる
- その後、ウイリアム・ピーター・ハミルトン(William Peter Hamilton)によってダウ理論に基づいた市場分析が発信され、ロバート・リー(Robert Rhea)が、それを元に『The Dow Theory』を出版し、ダウ理論が世界中に広まっていった
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📜 年代別にわかるダウ理論の進化
■ ① 1880年代:ダウが市場研究を開始
- 当時は企業情報が不透明で、無作為な投機が横行していた
- そんな中、ダウは 「平均(価格)こそが真実を語る」と考え、市場の本質を探求し出す
- そこからニューヨーク証券取引所のデータを分析し、株価指数を試作していく
👉 “平均(価格)はすべてを織り込む”という考えはここが起源。
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■ ② 1884年:世界初の「株価平均」を発表
ダウは 11銘柄(ほぼ鉄道会社)で 最初の株価平均(Dow Average) を発表。
これが後の ダウ平均(Dow Jones Industrial Average=NYダウ) の原型となる。
👉 「指数で市場全体を測る」という発想は当時としては革新的でした。
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■ ③ 1896年:ダウ工業株30(現在のNYダウ)を発表
- インフラ企業や製造業を中心に構成
- 現在まで続く世界で最も有名な株価指数がここで生まれる
👉 これを使いながら、ダウは市場の動きを「トレンド」として分析し記事で発信した。
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■ ④ 1899〜1902年:ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)でダウ理論の原型を連載
チャールズ・ダウは新聞(WSJ)の中で定期的に市場解説を発信し
- トレンドの定義
- トレンドの三段階
- 複数平均(工業&鉄道)で傾向を確認
- 転換シグナル
- 市場参加者の心理
などを説明した。
👉 この連載が現在の「ダウ理論」の原型となる。
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■ ⑤ 1902年:チャールズ・ダウ死去 → 相場研究家たちがダウ理論を正式化
ダウの死後、その理論・考えが相場研究家たちに支持され、後に整理・体系化・拡張されていく。
● S・A・ネルソン
- 書籍『The ABC of Stock Speculation(1903)』でダウ理論を整理・体系化
ここではじめて“ダウ理論”として表現される
(チャールズ・ダウ本人は「ダウ理論」という表現をしていない)
● ウィリアム・ピーター・ハミルトン
- 書籍『The Stock Market Barometer(1922)』でダウ理論に基づいた相場分析を発信
「トレンドが続く限り逆らうな」を強調していく
後に、世界に多大な影響を与える「The Dow Theory」が生まれる源泉となる
● ロバート・リー
- 書籍『The Dow Theory(1932)』で相場の本質を“トレンド分析”としてまとめ、これがダウ理論の公式教科書となる
“ダウ理論とは相場におけるトレンドの分析法である”として世界中に広がっていき、120年以上経った現在もなお世界中のトレーダーたちに支持され続けている
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■ ⑥ 1930年代〜現代:テクニカル分析の基礎へ
その後ダウ理論は、後の多くの相場研究者達に影響を与え
- エリオット波動
- 移動平均線
- グランビルの法則
- トレンドライン
- N字波形分析
- ダイバージェンス
- トレンドフォロー戦略全般
などの理論の根本になっていきます
👉 現在の相場分析のすべては、ダウ理論によるトレンド分析から始まっている。
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🎯 なぜダウ理論は120年以上経った今でも機能し続けているのか?
この理由はシンプルで
“人間の本能(感情)による行動心理は120年以上経った現在ても変わらないから”
そして、相場の本質が以下の3つで成り立っているから
- 相場参加者達の欲と恐怖
- 本能(感情)から発生する群衆心理
- 流れに乗る者と逆らう者の構図
これらが「相場のトレンド波を作る」ため
なので、チャールズ・ダウが120年以上前に提唱した原理は相場の本質として今でも機能し続けている。
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🔥 FXトレーダーが知っておくべきポイント
- ダウ理論はエリオット波動など数々のテクニカル分析の原点である
つまり、ダウ理論とはテクニカル分析全ての土台となっている理論である
- 相場から利益を上げる最も合理的な方法は、ダウ理論によるトレンドフォロー戦略である


